1 趣旨

現在、管理者がいないまま放置されている空き家が全国的に大きな社会問題となっており、早急な対応が不可欠となっています。

 

・所有者が死亡して相続人がいない
・相続人がいても多数の相続人の共有であるために利用が難しい
・所有者が高齢化したり遠隔地に居住しているために管理ができない

 

など、空き家が生じる事情は様々ですが、こうした空き家には、

 

・倒壊や火災等の発生の危険性
・犯罪の温床となる危険性
・子供が入り込んで怪我をする危険性
・環境の悪化

 

等の諸問題があるため、近隣住民から法律相談が持ち込まれるケースが多数あります。

また、近い将来空き家になることが予想されるため、事前に対策をとることが望まれるという場合もあります。

 

こうした空き家は、利用のしかたによっては、地域社会のために役立つ活用が期待でき、あらたなまちづくりや観光の振興、経済の活性化につながる可能性があるのですが、適切な対応策が見当たらないまま放置されていることが多いようです。

 

この空き家の問題を解決するためには、一方で所有者等の権利者の意向を正確にくみとるとともに、多業種の専門家(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、不動産業者、建築業者等)が、多方面にわたる専門的な知識とノウハウを結集して、よりよい空き家の対策を模索・検討し、その対策を提案・実践する事業を行い、空き家等の活用を通じて地域社会作りに寄与することを目的とするNPO法人を設立することが、是非とも必要でした。

 

2 申請に至るまでの経過

弁護士法人岡野法律事務所は平成24年に広島弁護士会において設立され、その後、支店を開設するなどして各地で弁護士業務を展開しております。

 

当事務所には、これまで、空き家に関するトラブルの相談が多数寄せられており、当事務所の所属弁護士が相談にあたってきましたが、そのたびに、空き家の問題のむつかしさを感じ、多くの専門家が協力する必要を感じてきました。

 

そこで、私たちは、よりよい空き家の対策を検討し、空き家を活用して地域社会作りに寄与することを目的とするNPO法人を設立し、

 

「特定非営利活動法人 空家対策専門家協議会」

 

と名付けました。
(同NPO法人は、令和元年7月22日に広島市から認証を受け、同月26日に設立登記を完了しています。)

 

当事務所の所属弁護士が中心となって法人を運営し、多業種の専門家に協力を呼びかけて、知識・ノウハウを持ち寄り、より良い空き家の対策を検討し、空き家を活用して地域社会作りに寄与していきたいと考えておりますので、是非とも、皆様のご協力をお願いいたします。

 

令和元年7月22日
特定非営利活動法人 空家対策専門家協議会
代表理事 岡野浩巳